食と健康のマメ知識

間違った情報に惑わされないためのブログ

悪玉、善玉というけれど・・・。

健康診断でよくひっかかりやすいのが、LDLコレステロールHDLコレステロール。 LDLのことを悪玉コレステロール、HDLのことを善玉コレステロールというのですが、この悪玉とか善玉とかいう表記はいい加減やめたほうがいいですよね。

まず、コレステロールというのは脂質の一種である遊離脂肪酸で、食事によっても摂取されるのですが、そのほとんどはカラダの中で合成されていて、主に肝臓で合成されるのですが、食事からの摂取量が多くなった場合、体内での合成が減るようになっています。

f:id:krachaid:20181126160743p:plain

主な働きとしては、細胞膜の形成や性ホルモン、ステロイドホルモン、胆汁酸、ビタミンDの前駆体の原料になるなど、人間のカラダを維持するために不可欠なもので、脳や神経細胞、血液などに広く分布しています。

水に溶けないため、たんぱく質とリン脂質に包み込まれ、水に溶けやすい形となって体内を移動しているのですが、これらのことをLDL、HDLなのです。

役割を見てみると、LDLが肝臓で合成されたコレステロールを体内に運び、HDLが体内に余ったコレステロールを回収し、肝臓に運び込み、これらが肝臓でさらに再生されます。

こうやってみるとうまく循環しており、善も悪もないだろうと思うのですが、まず血液中にコレステロールが過剰になると、動脈硬化が進行し、虚血性心疾患を招く危険性があることから、血液中のコレステロールが過剰にならないように働いているHDLのことを「善玉」といい、肝臓からコレステロールを過剰に運び込むLDLのことを「悪玉」と呼ぶようになったのだそうです。

しかし、これかわいそうな話ですよね。 コレステロールは人間のカラダには必要不可欠ですから、一生懸命LDLが頑張っているのに、HDLが上手にさばききれないからということだけで「悪玉」呼ばわりとなるのですから・・・。

まぁ、そうはいってもこの二つはしっかりとバランスよく動いてくれていることが大切で、その目安として血管の健康状態を把握するLH比というものがあります。

これは、単純に LDLコレステロール値をHDLコレステロール値で割るというもので、この値が、1.5未満であれば、血管内の状態がきれいで健康的となっていて、1.5以上からすこしずつ状態が悪くなってきて、2.5以上ともなると、コレステロールの塊がいつ破裂してもおかしくない状態となっていて、血栓ができている可能性あるのだとか。

ですので、どちらかの数値だけで判断するのではなく、お互いの数値のバランスをみて、体質の改善に臨むようにしたほうがいいでしょう。